top of page

恩師からの誕生日プレゼント/Birthday present from my mentor

特別な贈り物

研究室に、恩師である森川耿右先生から大きな誕生日プレゼントが届きました。

このプレゼントは、大阪から運ばれてきましたが、輸送に際していくつかの困難がありました。精密なモデルであるため、大手運送会社にはすべて断られてしまいました。そこで、これまで懇意にしている試薬メーカーが利用している小さな運送会社に依頼したところ、快く引き受けていただきました。模型の名札がわずかに傾いたものの、ほぼ完璧な状態で無事に届きました。ご尽力いただいた皆様に感謝申し上げます。

















T4endoV-DNAの分子模型

このプレゼントは、私が大学院時代に所属していた生物分子工学研究所の入り口に設置されていた「T4endoV-DNA分子模型」です。T4endoVは、紫外線によって生じたDNA損傷を修復する酵素で、非常に重要な役割を担っています。

私が在籍していた当時、研究室の先輩方がX線結晶構造解析を駆使してT4endoVの損傷認識機構と修復機構を解明しました。この研究成果は、アメリカの著名な科学雑誌であるCellに掲載され、多くの研究者から注目を集めました。




























修復機構の詳細

T4endoVがDNAに結合すると、DNAの二重らせんが大きく曲がり、その結果として損傷したDNAの反対側の塩基がらせんの外に飛び出すフリップアウト機構が確認されました。この発見はDNA損傷修復の分子機構を理解するうえで非常に重要なステップでした。

図解説明(上段)T4endoV(黄色いリボン)とDNA(針金モデル)の複合体ステレオモデルです。T4endoVの結合により、DNAが左側にU字型に曲がっている様子が伺えます。(下段)DNA部分の拡大図です。損傷DNA(塩基同士が共有結合でつながっている)の反対側の塩基がらせんの外に飛び出しているフリップアウト構造がよくわかります。
図解説明(上段)T4endoV(黄色いリボン)とDNA(針金モデル)の複合体ステレオモデルです。T4endoVの結合により、DNAが左側にU字型に曲がっている様子が伺えます。(下段)DNA部分の拡大図です。損傷DNA(塩基同士が共有結合でつながっている)の反対側の塩基がらせんの外に飛び出しているフリップアウト構造がよくわかります。




































この分子模型は、今後、オープンキャンパスや研究室見学の際に活用していく予定です。

視覚的に分子構造を学ぶことで、来訪者や学生たちに分子生物学や構造生物学の奥深さを体感してもらえるでしょう。また、研究の歴史や恩師の偉業についても伝える良い機会になると考えています。


森川先生、このたびは素晴らしいプレゼントをありがとうございました。

私たち染色体構造生物学研究室の象徴になるこの模型を大切にし、次世代の研究者育成や科学啓発に役立てていきます。






Comments


Tokyo University of Science

  • Facebook Clean Grey
  • Twitter Clean Grey
  • LinkedIn Clean Grey

© 2020 by Tatsuya Nishino

bottom of page