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染色体分配に関与する複合体の構造生物学
染色体は遺伝情報の源で、細胞の維持、増殖や分化等あらゆる面においてマスターコントローラーとして機能しています。その制御異常はガンや遺伝病とも密接に関わっています。多くの生物で遺伝子配列情報が報告され、最近では単一細胞からも遺伝子の発現や配列が報告されています。私達はこのような状況の中でこれまでに培った経験を生かして更にその先を目指すために「染色体構造生物学」を遂行します。
染色体制御蛋白質の多くは超分子複合体を形成しています。また真核生物の核内蛋白質はその蛋白質発現領域中の約40%が天然変性領域になっています。このような事から核内蛋白質は、これまで構造生物学的な解析が困難で、膜蛋白質とならぶ構造生物学の残されたフロンティアと考えられます。このような困難な対象を取り扱うにあたっては個々の因子やその翻訳後修飾がどのように超分子形成に寄与しているかを明らかにし、細胞内の超分子複合体の形態を捉える事が重要です。さらに超分子複合体の原子レベルの解析を通じてその構造基盤を明らかにし、生体内の制御機構を解明する事も必須です。そこでまず染色体の維持制御に関わる超分子複合体の機能解析と立体構造解析を行います。このような解析を通じて染色体制御機構を理解し、将来的には染色体制御複合体や染色体を自由に取り扱い、細胞生物学と構造生物学、染色体工学と細胞工学を融合した新たな分野を作って行きます。このような連携により分子機構解明とともに得られた知見の応用も視野に入れた研究を展開して行きます。
研究は大まかに以下の4つのテーマを扱います。
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細胞より精製したネイティブ複合体の構造機能解析。
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ネイティブ複合体や組み換え複合体の生化学、細胞生物学的解析
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原子レベルの立体構造解析。
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再構成と細胞内動態解析、新規機構創成。
Structural biology of chromosome segregation
Chromosome is the source of our genetic information and it regulates every aspect of cellular activity such as growth and differentiation. Defect in the regulation may lead to cancer and disease. We try to understand the molecular detail of the chromosome at atomic resolution using structural biology techniques.
Our research can be divided into four categories
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Structure-function analysis of native complex purified from cells
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Biochemical analysis of the recombinant complexes
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Structural analysis of the complexes at atomic resolution
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reconstitution and analysis of the complex
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