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M2山下さんの発表と、旧友Andreaとの再会

  • 執筆者の写真: nishinotatsuya
    nishinotatsuya
  • 7 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:1 日前

横浜で開催された第48回日本分子生物学会年会に参加しました。

そこでは、M2 山下さんの口頭発表と、思いがけず旧友 Andrea(アンドレア)との再会という、研究者としても教育者としても大変印象深い一日となりました。


■ M2 山下さん、バソヒビン・ミニシンポジウムで堂々の口頭発表

午前中のバソヒビン研究ミニシンポジウムでは、M2 の山下さんが口頭発表を担当しました。

参加されていたのは大学教員や PI の先生方が中心でしたが、山下さんは限られた持ち時間を有効に使い、落ち着いて力強い発表を行っていました。質疑応答では、普段あまり受ける機会のない質問にも丁寧に対応しており、これまで積み重ねてきた準備の確かさを感じました。シンポジウム後には他大学の先生方と活発に議論する時間もあり、夜には懇親会が開催され、3年ぶりの対面交流の場となりました。

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■ ポスター会場での情報収集と学会の熱気

午後はポスター会場を巡りました。

分子生物学会は三日間で約3000演題が発表されますが、1日あたり約1000件という規模は圧巻で、分野の広さと研究の勢いを肌で感じることができます。発表前に全体をざっと眺め、興味のあるテーマを中心に情報収集しました。大規模学会ならではの多様な研究に触れ、刺激の多い時間にとなりました。

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■ プログラムを眺めて見つけた名前 —— 旧友 Andrea Pauli

口頭発表セッションを選ぶためにプログラムを確認していたところ、発表者の中に留学時代の同僚 Andrea Pauli の名前を見つけました。彼女はウィーン分子病理学研究所で大学院生として研究を開始し、後にオックスフォード大学へ移籍して博士号を取得した研究者です。非常にエネルギッシュな性格で、ウィーンではショウジョウバエを扱う隣の研究室と共同研究を行い、オックスフォードでもその研究を継続していました。

また、オックスフォード在籍中には大学の8人制ボート部に所属し、ケンブリッジ大学との伝統的なレース(The Boat Race)にもトップチームの一員として出場した経歴の持ち主です。

博士号取得後はハーバード大学で博士研究員としてゼブラフィッシュ研究に取り組み、2015年からはウィーン分子病理学研究所で研究グループを率いています。


■ Andrea の研究発表:受精に関わる因子の探索と構造予測

今回の発表は、彼女が新たに着手している「魚類の受精機構」に関する研究でした。

ゼブラフィッシュの卵子と精子がどのように出会い受精に至るのか、その鍵となる因子を同定し、さらに AlphaFold を用いた構造予測により、それらの形態や複合体形成の様式を解析する内容です。卵側では単独で提示される因子が、精子側では10個以上が複合体を形成して働いている様子が示唆され、これらの因子はヒトやマウスにも保存されているとのことでした。共通した受精メカニズムが脊椎動物に広く存在する可能性を示す興味深い成果で、今後の発展が非常に楽しみです。

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■ 発表後の再会

セッション終了後には Andrea と直接話す機会があり、短い時間ではありましたが互いの近況を報告し合いました。思いがけない再会で、懐かしさと同時に、それぞれが自分の道を歩みながら研究を続けていることを嬉しく感じました。


今回の学会では、学生の成長を間近で感じるとともに、国際的な研究仲間との交流の大切さを改めて実感しました。次の研究・教育活動への励みとなる、大変充実した一日となりました。


 
 
 

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Tokyo University of Science

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