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2026年度生化学川柳第四週目優秀川柳賞/2026Biochemistry Haiku prize week4

  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

先週はタンパク質の構造について学びました。


タンパク質は、リボソームで合成されたあと、アミノ酸配列に応じて折りたたまれ、二次構造、三次構造、さらに場合によっては四次構造を形成していきます。αヘリックスやβシートといった規則的な二次構造が組み合わさることで、機能をもつ立体構造ができあがっていくところは、タンパク質の面白さのひとつです。タンパク質の構造はアミノ酸配列によって決まり、構造が機能と深く結びついていること、そしてその安定化には疎水性相互作用、水素結合、静電的相互作用、ファンデルワールス相互作用、ジスルフィド結合などが関わります。


タンパク質の中には、球状ドメインを形成して酵素や受容体のようにはたらくものもあれば、ケラチンやコラーゲンのように繊維状の構造をとり、組織の強度やしなやかさを支えるものもあります。たとえばケラチンでは、αヘリックスが集まって丈夫な繊維をつくり、さらにジスルフィド結合がその形を保つうえで重要な役割を果たします。パーマ処理の過程では、ジスルフィド結合を一度切ってから形を変え、再び結び直すことで髪の形を整える、身近なタンパク質化学の例です。


また、すべてのタンパク質がひとりで上手に折りたためるわけではなく、細胞の中ではシャペロンが折りたたみを助けています。正しく折りたたまれないと凝集やミスフォールドにつながることがあり、それが病気の原因になる場合もあることを学びました。タンパク質はただ作られるだけではなく、正しい形をとってはじめて本来の機能を発揮できます。


さて、先週の優秀川柳は以下の語句です。


–配列の 1文字違いで 別人格

–シャペロンで 綺麗に畳まる タンパク質

–ジスルフィド 橋を架けては 型守る

–パーマとは 硫黄の橋の 芸術品

–食べましょう コラーゲンでなく 野菜をね


今回掲載する画像は、ヒトの皮膚に含まれるコラーゲンの予測構造です。ひものように見える部分は、溶液中で一定の構造をとりにくい天然変性領域として表現されています。天然変性領域をもつタンパク質や、明確な構造をとらない領域が多くのタンパク質に存在し、タンパク質は常にきっちり固まった形だけをとるわけではないことがわかります。


コラーゲンは、皮膚や腱、軟骨、骨基質、角膜などの結合組織に存在し、組織の強度や柔軟性を支える重要なタンパク質です。コラーゲンはグリシン、プロリン、4-ヒドロキシプロリンに富み、3本の鎖が三重らせんを形成します。ここは少し大事な点ですが、コラーゲンにおいて重要なのはアミノ酸として多く含まれるグルタミン、グリシン、プロリンだけではなく翻訳後修飾によって生じるヒドロキシプロリンです。


ヒトはグリシンやプロリンを体内で合成できますが、コラーゲンの安定化に重要なヒドロキシプロリンをつくる反応には、ビタミンC(アスコルビン酸)が必要です。そのため、コラーゲンよりも新鮮な果物と野菜をもっと食べるというのはとても理にかなった話です。コラーゲンをそのまま摂ること以上に、コラーゲンをきちんと働かせるための環境を整えることが大切だといえます。


 
 
 

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Tokyo University of Science

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