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2025年度生化学川柳第十週目優秀川柳賞/2025Biochemistry Haiku prize week10

  • 執筆者の写真: nishinotatsuya
    nishinotatsuya
  • 20 時間前
  • 読了時間: 2分

更新日:52 分前

先週はDNA講義第二弾、DNAを基盤とする情報技術について学びました。

遺伝情報の機能や機構の解明が進むにつれて、それまでは人為的に変更を加えることが困難であったゲノムの情報は、さまざまな技術の進展により改変が可能となりました。その先駆けとなったのは制限酵素です。特定の配列を認識して切断し、別の断片と連結することで新たな組換えDNAを作り出すことができます。他の方法が進展してきた中でも、制限酵素が特定の配列を認識して切断するという働きは、ゲノムタイピングライブラリー作成といった技術で今なお活躍しています。

原核生物や古細菌が持つ制限酵素システムを他の生物解析に応用するという流れは、近年注目されているCRISPR-Cas9技術にも通じるところがあり、今後も新たな技術の開発が期待されます。


さて、先週の優秀川柳は以下の5句です。

理科大に 留年クロマトグラフィー あり

タグ付けて アフィニティーで 分離する

ダメ彼氏 切ろうか否か EcoRI

好きなのは GAATTC だけなんだ

遠い祖先 つなぐ証は オーソログ


以下の写真は大腸菌の制限酵素EcoRIがDNAの塩基配列を認識して切断する様子です。

EcoRIは2量体を形成し、それぞれのサブユニットがDNAのリン酸骨格を同時に切断することで対称な制限酵素断片を生じます。制限酵素と塩基配列の相性は、まるで人間関係のように繊細で、今回の川柳にもそうした視点が詠み込まれていて思わず笑ってしまいました。

詳しくは、PDB-101のこちらの記事もご覧ください。





































さて来週からは二週にわたって脂質の講義になります。

構造・機能の多様性に富んだ脂質の世界に触れていきますので、ぜひ楽しみにしておいてください。

 
 
 

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