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2025年度生化学川柳第十四週目優秀川柳賞/2025Biochemistry Haiku prize week14

  • 執筆者の写真: nishinotatsuya
    nishinotatsuya
  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

先週の講義では、バイオシグナリングについて学びました。


バイオシグナリングとは、細胞外からのわずかなシグナルを細胞膜を介して検知し、cAMPなどのセカンドメッセンジャーへと変換して、細胞内の応答へつなげる高度な情報伝達の仕組みです。脂質二重層は非極性分子やイオンを通しにくく、栄養やイオンを細胞内に伝える代わりに、受容体が変化を感知し、増幅やフィードバックを経て、複数段階にわたるシグナル処理が行われます。


特に今回の講義では、アドレナリン(エピネフリン)による刺激がアドレナリン受容体→Gタンパク質→アデニル酸シクラーゼ(adenylyl cyclase)→cAMP生成→PKA活性化へとつながる一連のカスケードについて学びました。一分子のアドレナリンが最終的に10万分子ものグルコースを放出させるほどの信号増幅が可能となるのは、まさにこの連鎖構造があってこそです。


PDB‑101の「Molecule of the Month: G‑Proteins」記事では、Gタンパク質がGDPからGTPを結合するとαサブユニットが変形し、活性化されてアデニル酸シクラーゼへと結合→cAMP生産に至る構造変化が詳細に解説されています。さらに、アデニル酸シクラーゼ本体に関しては、PDB‑101の「Molecule of the Month: Adenylyl Cyclase」記事も非常に有用です。これらの記事を日本語にまとめたのが以下のリンクです。興味がある人は是非ご参照ください。


さて、先週の優秀川柳は以下の5句です。

シグナルで 私の想い 伝達中

告白の ドキドキもたらす エピネフリン

毒がきて いつまでもON Gタンパク

アポトーシス 計画的に 死んでいく

テスト近 入れる保険 ないのかな


次回は今学期最後の講義、生体エネルギー論と代謝、生化学反応のタイプを学びます。これまでの総まとめであるとともに、生化学2の講義内容へとつながる重要な章となっているので、一緒に勉強していきましょう。

 
 
 

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