2024年度生化学川柳第六週目優秀川柳
先週は酵素について学びました。
酵素は生体内で化学反応を促進する触媒として機能し、生命活動に欠かせない役割を果たしています。
人の体内では、タンパク質を消化するために特定の酵素が重要な役割を果たしています。
その代表的なものがペプシンとトリプシンです。
ペプシンは胃内で分泌される酵素で、主にタンパク質をペプチドに分解します。
胃酸によって活性化され、食物中のタンパク質を効率的に分解することで、消化を助けます。
トリプシンは膵臓から分泌される酵素で、ペプシンによって生成されたペプチドをさらに小さなアミノ酸に分解します。トリプシンは腸内で活性化され、消化のプロセスを完了させるために不可欠です。
一方、唾液中にはアミラーゼという酵素が含まれており、これはでんぷんをマルトースやグルコースといった単糖類に分解します。アミラーゼは食事の初期段階で炭水化物の消化を開始し、効率的なエネルギー吸収を可能にします。
興味深いことに、アミラーゼ遺伝子の数には個人差があり、これが消化能力や体格に影響を与えることが研究によって示されています。特に日本人と欧米人の間で顕著な違いが見られます。
NHKの特集によると、日本人は欧米人に比べてアミラーゼ遺伝子の数が多い傾向にあります。この違いは食生活の違いに起因していると考えられます。伝統的に日本食は炭水化物、特に米を主食とすることが多いため、アミラーゼの活性が高い方が有利であったと推測されます。一方、欧米の食生活はより多様な栄養素を含むため、アミラーゼの重要性は相対的に低いと考えられます。
アミラーゼ遺伝子の数が多いと、でんぷんの消化が効率的に行われ、エネルギーの吸収がスムーズになります。これにより、血糖値の上昇も緩やかになるため、日本人の体格や体脂肪の分布にも影響を与えていると考えられます。
参考文献:
さて、先週の優秀川柳は以下の5句です。
–リボザイム 酵素はタンパク だけじゃない
–アミラーゼ デンプン切断 甘くなれ
–熱変性 活用すれば 甘味維持
–エンザイム 理解速度も 上げてくれ
–高めあう ペアお互いが エンザイム
タンパク質は今週で終了し、次は糖質です。
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