2024年度バイオインフォマティクス川柳第四週目優秀川柳
先週は構造バイオインフォマティクスについて学びました。
この分野は、DNAやRNA、特にタンパク質の立体構造を解析し、その機能や相互作用を理解するための重要な手法を提供します。タンパク質は、一次配列(アミノ酸の並び)から複雑な立体構造に折りたたまれ、酵素や転写因子として機能します。この構造を正確に理解するためには、ラマチャンドランプロットやコンタクトマップといった解析手法が使われ、さらにタンパク質の動きを解析するために分子動力学も活用されます。
また、立体構造のデータはPDB(Protein Data Bank)というデータベースに蓄積され、研究者はこれを基にタンパク質の構造や相互作用を予測・解析しています。最近では、AI技術を活用したAlphaFoldなどの手法により、立体構造の予測精度が飛躍的に向上し、ノーベル賞に繋がるような研究成果も生まれています。
さて、先週の優秀川柳は以下の5句です。
PDB タンパク質の KHY(解析・比較・予測)
バイオの日 更新される PDB
膜を越え 螺旋解けゆく 時の謎
SCOPで すくってCATH(キャッチ) 二次構造
aiで、構造読み解き、ノーベル賞
AlphaFoldを開発したGoogle傘下のDeepMind社の研究者たちは、タンパク質だけでなく、生体高分子全般の立体構造予測においても重要な役割を果たしました。当初はAlphaGoという囲碁AIとして注目されましたが、その技術を応用したAlphaFoldは、他の手法と比べても予測精度が圧倒的に高く、構造解析や創薬分野での利用が急速に広まっています。また、もう一人の受賞者であるDavid Baker氏は、長年タンパク質デザインに従事し、創薬関連のタンパク質を多数デザインしてきた第一人者です。彼の受賞は、構造バイオインフォマティクス分野において大変喜ばしいニュースです。
興味がある方は、こちらの動画で彼のノーベル賞受賞後のコメントをご覧ください: David Baker ノーベル賞受賞コメント動画
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