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2024年度バイオインフォマティクス川柳第五週目優秀川柳

先週の講義では、DNA配列が持つ遺伝情報の解析方法について学びました。

DNAは遺伝情報の源であり、生命の設計図としての役割を持つため、これまで多くの配列解析が行われてきました。

従来のゲノム解析で使われたサンガー法は、約800塩基対の配列解析が可能な手法ですが、大規模なゲノムを解析するには限界がありました。そのため、ゲノム全体をランダムに分断し、断片を並列で解析・再構築する「ショットガン法」が開発され、より多くの配列データが取得可能になりました。さらに2000年代に次世代シーケンシング(NGS)が登場し、膨大な塩基配列を短時間で効率よく解析することが可能となりました。NGSではショートリードとロングリードの組み合わせや、シングルエンドとペアエンド解析による高精度なマッピングが可能です。このようにして得られたゲノムデータは、塩基配列の単なる羅列にとどまらず、GC含量や反復配列の検出、コドン使用頻度といったゲノムの特徴を知る手がかりにもなります。また、異なる生物種間での遺伝子保存性や進化の過程もゲノム比較によって解析可能です。現在、ゲノム情報をもとに、より深い生命現象の理解を目指してトランスクリプトームやプロテオーム解析が進められており、今後の応用が期待されています。


さて、先週の優秀川柳は以下の5句です。

-イントロン スプライシングで はい、ドロン

-サンガ―も 100台寄れば ショットガン

-瞬く間 データが揃う NGS

-抽出し 見えざるゲノムの 紐解けり

-比較して ゲノムの歴史の 旅をする


以下の写真は、サンガー法シーケンサーと次世代シーケンサー装置です。

ショットガン法では、サンガー法シーケンサーを数百台用いて大規模な解析を行い、ゲノム配列を決定しました。一方で、次世代シーケンサーは小さな装置一台でヒトや他の生物のゲノム解析が可能です。


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