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2023年度生化学川柳第四週目優秀川柳賞/2023Biochemistry Haiku prize week4

先週はタンパク質の構造について学びました。

タンパク質は階層構造でできています。


一次構造は、アミノ酸配列の並びです。

20種類のアミノ酸残基の順番でそのタンパク質の構造や機能が決まります。

二次構造は、αヘリックスやβシートの形でアミノ酸残基が局所的に相互作用します。

三次構造は、二次構造同志の相互作用によって折れたたまります。

さらに、複数のポリペプチドで構成されるタンパク質は四次構造を形成します。


タンパク質の折りたたまはアミノ酸の並びによって決まりますが、適切な条件でない場合は、折りたたみが異常な状態(変性状態)となります。


二次構造や三次構造は、水素結合やイオン結合、疎水性相互作用やファンデルワールス力などの非共有結合が中心です。そのため、天然の状態と変性状態の間のエネルギー差はあまり大きくありません。

したがって、加熱や加圧、激しい振とうなどの物理的な影響、

pH、塩濃度、酸化還元状態などの化学的な影響によって、タンパク質は簡単に変性します。

さらに、変性状態では通常タンパク質の内部にある多くの疎水性アミノ酸残基が露出し、他のタンパク質と不可逆的に結合してしまいます。

これが一度できたゆで卵が元の生卵に戻らない理由です。


一方、共有結合は非常に強力で、熱などによって分解されません。実際、化石の中に保存されたタンパク質も長い時間を経て保たれていることがあります。

ジスルフィド結合は、2つのシステイン残基の側鎖にある硫黄原子が酸化によって共有結合を形成します。

細胞外に分泌される多くのタンパク質は酸化環境にあるため、ジスルフィド結合によって構造を安定化しています。

例えば、ペプシンやトリプシンなどのプロテアーゼや抗体も、このようなタンパク質であり、三次構造の安定化に大きく貢献しています。また、タンパク質を耐熱化するためにも、ジスルフィド結合を適切な位置に配置することがよく行われます。


身近な例では、パーマの処理過程で髪の毛を構成するケラチン中のジスルフィド結合を一度還元し、望む形状に整えた後に再び酸化して形を固定します。このようにしてつくられたパーマは、ある程度の期間は持続しますが。熱処理や自然な酸化還元によって徐々にほどかれてしまいます。


さて、先週の優秀川柳は以下の5句です。

-タンパク質性質決める立体構造

–サブユニット手を取り合って四次構造

–ジスルフィド結合レベルはSSだ

–絆より強い結合ジスルフィド

–人生は予想できない折りたたみ


来週も楽しみにしています。


以下は羊と水鳥のケラチンの比較です。

ケラチンにも種類がいくつかあり、αへリックスを形成しやすいものとβシートを形成しやすいものがあります。ウールにスチームを当てることでαヘリックスが若干伸びて、その状態でアイロンをかけることでしわが取れます。

一方、絹はフィブロインという別のタンパク質によってできています。

こちらはβシートが密になっているため、丈夫で伸び縮みしません。

このように、私たちは知らず知らずにタンパク質の性質によって使い分けを行っています。







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