2023年度生化学川柳第十四週目優秀川柳賞/2023Biochemistry Haiku prize week14
先週は生化学1の総締めくくりとして、生体のエネルギー論を学びました。
私たちの体内では、様々な反応がエネルギーの授受によって成り立っています。
原子同士の結合や解消、酸化と還元もエネルギー変換を伴います。
私たちが生活している空間は常に無秩序の方向に向かっているため、
細胞や個体という高度に秩序だった状態とは対極にあります。
エネルギーの授受や秩序/無秩序は、熱力学の法則に従います。
化学反応の進行や平衡は、自由エネルギーによって決まります。
通常、起こりにくい反応であっても、高エネルギー化合物と一緒に反応を行う(共役)ことで反応が進行します。
生体内の化合物の合成や分解においては、ATPやNADHなどが利用されており、
特にATPは高エネルギー化合物で生体のエネルギー通貨とも呼ばれています。
ATPやNADHは太陽の光のエネルギーをもとに合成されたもので、すべての生物はその恩恵を受けています。
生化学の講義では、これまで14週に渡って様々な生体化合物を学んできました。
アミノ酸に始まり、ペプチド、蛋白質、糖、核酸、脂質など種類や構造も多岐にわたります。
一つ一つに個性があり、役割も様々ですが、どれ一つ欠けても私たちの命は成り立ちません。
このような化合物の構造や成り立ち、役割をしっかり理解することは私たちが健康的に生きるためにも重要です。
教わる内容も多くて大変だったかと思いますが、
みなさんが蓄えた知識はこれから大いに役立つと思います。
ペアワークで培った友人も今後の人生に不可欠ですので、この絆を大切にしてください。
さて、先週の優秀川柳は以下の5句です。
–負になると 自然と進む ΔG
–求電子 わたしとあなたは 惹かれ合う
–テスト前 増える頭の エントロピー
–エネルギー 行くべき未来を 教えてよ
–ありがとう おかげで知り合い 増えました
以下の絵は、CRAIYONを使って達成感を表現してみました。
現在の皆さんは自由エネルギーが十分に蓄えられた状態です。
期末試験に向けて力を存分に発揮してください。
コメント