2023年度バイオインフォマティクス川柳第七週目優秀川柳賞/2023Bioinformatics Haiku prize week7
先週はエピゲノム、メタゲノム、パスウェイ解析を学びました。
ゲノムにコードされた遺伝子はすべて発現するわけではなく、特定の細胞や特定の条件下でRNAへの転写やタンパク質への翻訳が行われます。発現の制御を担っているのがエピゲノムと呼ばれるDNAやタンパク質の翻訳後修飾です。
ヒトは父親と母親から染色体のセットを受け継いでいますが、父親由来と母親由来の同じ染色体が異なる修飾状況になっている場合、どちらか一方が優先して発現するということもあります。翻訳後修飾としてはDNAのメチル化、ヒストンのアセチル化、メチル化、リン酸化などがあり、このような翻訳後修飾を導入する酵素と翻訳後修飾を認識するタンパク質によって染色体の状態が変化します。染色体の状態が変化することで転写が促進もしくは抑制されます。
よく取り上げられる例としては、ヒトのX染色体の不活性化があります。女性には母親由来、父親由来の二つのX染色体がある一方、男性は母親由来の一つのX染色体のみです。女性の二つのX染色体のうちの一方は、発生の段階で不活化されて遺伝子の発現は抑制されています。
この不活性化はランダムに起こり、染色体はコンパクトなバー・ボディという状態をとることで男性と同じ一つのX染色体遺伝子の発現量となります。もし不活性化に問題が生じると、X染色体に関連した遺伝病や性別に関連した遺伝的疾患が引き起こされる可能性があります。
さて、先週の優秀川柳は以下の10句です。
エピゲノム ゲノム下での 力持ち
エピゲノム 遺伝子制御の 司令塔
難培養 ゲノムの力で 解析だ
メタゲノム 未来の医療を 変える鍵
パスウェイで 膨らむ期待 新薬へ
検索の 仕方身につく バイオインフォマティクス
BLASTに PubMed、KEGG お手の物
両側が 女子の先輩 うれしいな
7週間 お隣さんたち ありがとう
1月の テストに向けて もう(猛)勉強
今年度のバイインフォマティクスの講義は今回で最後で、あとは年明けに期末試験があります。
今年は1、2年生合同の講義で、受講者が210名となりましたが、毎週の講義とペアワーク課題を通じてみなさんの知識と知り合いが増えてくれたなら幸いです。
今回の画像は久々にCraiyonで作成したペアワークの画像です。
最近ChatGPTがさらに進化してChatGPT4vが導入されたので、今後はこちらを使って画像を作ってみます。
Comments