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11年半をともにした一期生の旅立ち ― 伊藤くん、奈良先端大へ

10月1日
読了時間: 5分

西野研の一期生として、11年半にわたって研究室に在籍した伊藤くんが、10月から奈良先端科学技術大学院大学で新しいキャリアをスタートしました。


思い起こせば12年前、私が理科大に着任する前に行った卒研説明会で、当時3年生だった学生たちに研究室の紹介をしました。その後、西野研の一期生として4名が卒研配属され、翌4月の研究室スタートから伊藤くんとはずっと同じ時間を過ごしてきました。

11年半という期間は、改めて考えると本当に長いものです。


研究室に来れば当たり前のように伊藤くんがいて、研究や学生のことを相談しながら日々を過ごしてきました。それが突然なくなったためか、この一週間ほどは私自身も少し「伊藤ロス」のような状態になっていたため、この記事の作成もすっかり滞っていました。


伊藤くんの最初の印象は、寡黙で几帳面。同じ4年生の中でも、周りから一目置かれる存在でした。

学生時代にはスターバックスでのアルバイトを経験し、そこでオペレーションを効率よく進める考え方を身につけたようです。研究においても、物事をきちんと整理し、一つ一つ問題を切り分けながら、納得できるところまでとことん突き詰める。そして、なかなか結果が出なくても簡単には諦めない。振り返ってみると、非常に研究者向きの気質を持っていたと思います。























研究室開設最初の一年は、毎朝5人で集まって、その日に行う実験の内容を確認するところから一日が始まりました。


























途中から池田くんも加わって6人となり、まだ学生の少ない広い実験室の中で、かなりのびのびと研究をしていました。今の研究室の様子からは想像しにくいほど静かな時代です。














初年度のゼミ旅行は冬のバス旅行でした。アウトレットで買い物をしたり、ワインの試飲をしたり、信州蕎麦を食べて善光寺を巡り、当時の大河ドラマ「真田丸」で注目されていた上田城を見学したりしました。


























今振り返ると、研究室というよりも、皆で一から新しいものを作っていた時期だったように思います。

その後、少しずつ研究室の人数が増え、後輩も増えていく中で、伊藤くんは大学院へ進学して研究を続けました。


研究テーマは一貫して、FANCM–CENP-SXという、DNA組換えやDNA修復、さらには染色体の維持にも関わるタンパク質複合体です。

卒業研究から修士課程にかけてはタンパク質単独の構造解析に取り組み、学会発表なども経験しながら、少しずつ研究者として成長していきました。

さらに博士課程へ進学してからはDNAとの複合体解析へと研究を発展させ、無事に博士号を取得しました。


学位取得後は、私の教授昇任とともに嘱託助教となり、今度は学生としてではなく、教員として研究室を支える立場になりました。

自身の研究を進めるだけではなく、研究室全体を取りまとめ、学生の研究指導を行い、学部学生の実験や講義にも関わるなど、大学教員としての仕事をしっかりと担ってくれました。

研究室にとって大きな転機となったのは、やはりコロナ禍前後です。

突然オンラインでの研究室運営を余儀なくされる中、Teams、SharePoint、OneNoteなどを使った情報共有や資料管理の仕組みを整え、現在まで続く研究室の情報基盤を作ってくれました。

今では当たり前のように使っている仕組みの多くが、この時期に伊藤くんと相談しながら導入したものです。

また、多くの異なる研究プロジェクトを抱える研究室では、学生一人ひとりとのコミュニケーションも非常に重要です。

伊藤くんは自身が学んだコーチングの手法も取り入れながら、ゼミ前後のチェックイン/チェックアウト、各自の振り返り、さらに毎日の勉強会の企画・運営などにも取り組みました。

学生の状況をきめ細かく見ながら、研究室全体がうまく動くように支えてくれたその役割は、私一人では到底担えないものでした。

気がつけば、一期生だった伊藤くんが、今度は研究室の学生たちにとって最も身近な先輩研究者であり、頼れる教員になっていました。

学生たちからもとても慕われており、先月末には盛大な送別会が開催されました。













(学生たちが作ってくれたクイズで、文字を入れ替えると「翔さんさん今までありがとう」となります。)

学生たちから贈られた白衣いっぱいの寄せ書きには、一人ひとりの思いが詰まっており、この11年半で伊藤くんが研究室に残してくれたものの大きさがよく伝わってきました。



















私からは、これまでの11年半への感謝を込めて、クリスタルの記念品を贈りました。

そこには、

Most Valuable Member of Nishino LabSho Ito2015–2026With Deep Appreciation

と刻んでもらいました。





















研究室を立ち上げたばかりの頃、一人の卒研生として加わった伊藤くんが、修士、博士、そして助教となり、最後には研究室全体を支える存在になりました。


11年半を振り返れば、研究室の歴史のほとんどを一緒に歩んできたことになります。

ここまで西野研を支えてくれたことに、改めて心から感謝しています。

10月からは奈良の新しい環境で、新たな研究者としてのキャリアが始まります。

これまで西野研で培ってきたものを土台に、今度は自分自身の研究をさらに発展させ、多くの学生や研究者と出会いながら、活躍の場を広げていってくれることを期待しています。


研究室を離れるのは少し寂しいですが、一期生が次の場所へ羽ばたいていくことは、研究室にとっても大きな節目であり、とても嬉しいことです。


伊藤くん、11年半、本当にありがとう!

そして、新天地でのさらなる活躍を楽しみにしています。

Thank you, Sho, for all your contributions to the Nishino Lab!


 
 
 

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Tokyo University of Science

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